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    震災時の只中とその後の思考

    • 2016.04.15 Friday
    • 04:31
    震災時、私たちの意識は「人」に向く。

    自分の身の守り、家族のもとに駆け付ける。遠くにいる人には連絡をして、安否を確認しようとする。地震の場合、ひとまず落ち着いても、小さな揺れなどが続くので、緊張状態はしばらくの間続く。

    これが私たちの内的世界。それはすごく自然な世界観だ。

    後々になってよく考えてみると、いかに狭い世界の捉え方をしていたかがわかってくる。

    ハワイにいても、震度7という見慣れない数字を見て心配になり、ツイッターのTLを確認し、「大丈夫かなぁ」と声を漏らすように、文字通りそんな一言を「つぶやいたり」する。多くの人が電話もするだろう。でも、それで回線がパンパンになってしまうので、遠慮しておこうとは、その時にはなかなか思えない。

    これだけ原発のことが言われていても、僕自身恥ずかしながら、九州にある二つの原発のことが頭によぎることはなかった。実家は、そのうちの一つの20卞發舛腓Δ匹里箸海蹐砲△襪里法

    人々は余震を「余震」と呼ぶけれど、西條剛央さんが書いていたように、それが余震であるのかどうかは事後的でないと判断できない。

    同じように、震災時の世界の捉え方の「狭さ」は、正確には、事後的になってみないとわかりにくい、ということだ。後々になって、どうしてこんなことをしていたのか、こうすべきだった、すべきでなかった、と申し立てることはできるが、只中でのそういう認識は構造上難しい面がある。

    私たちの認識を形作っているのは、時間と距離(time & place)の意識への現れ方だ。時間が経ち、物事から距離が生じることでできる認識がある。

    したがって基本的には、災害時には人々の視野はぐっと狭まり、思考が硬直化するという前提のもと、災害で「ない」ときに、振り返り、策を練り、緊急に備えて準備をしておく、ということなんだろう。特に、それが行政や人の命を預かる人たちにおいて。

    なぜこんなことを書こうと思ったかというと、寝る前(地震直後)の自分や人々の内的世界と、起きた後(時間が経った後)にちらほら見られた少し棘のある批判に違和感を感じたから。

    批判が知恵になれば大いにいいことだ。そのために、僕らは時々批判を覆っている棘を取り、解毒し、誰もがアクセスできる知恵に仕立てる努力もしなければならない。

    こういうときには、物事の本質を捉える思考が求められる。現象学はそうだ。ただ、常に物事を分析していると「冷めてる」と言われてしまうので注意したい、が。人は「熱い」がゆえに、緊急時に注意が人に向かうのだろう。

    大切なのは、距離ゼロ状態における感情的な熱さと、時間が過ぎ距離が生まれクールダウンした状態が個人のなかで往還すること、そして、多くの人が只中で感情的になっているときにクールダウンして物事を見つめる人がいる一方で、事態を忘却し冷めた人のなかもなお熱く語る人が混在し、社会が多声的状態にあること。

    個人や社会の中が雑多であることは、人そして人々が生き延びるうえで重要な知恵だ。だからこそ、共存の原理とそのためのコミュニケーションを僕らは模索している。

    そういう思考はお金にならないため、政策的には軽視されるかもしれないが、クールにそろばんをはじく人が多い社会だからこそ心は熱く、人々がお金や目に見えるものだけに熱くなりがちな社会だからこそ、お金で測れないものや目に見えない価値をクールに査定し、それの言動は冷静でありたい。、ご無事でなにより)。その地に住む方々皆さんの無事を願う。そして被害が大きくなりませんよう。

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